伊豆で注文住宅を建てて感じた失敗と後悔

query_builder 2026/01/20
コラム
傾斜地の住宅

「伊豆だからこそ」起こりやすい落とし穴とは


伊豆で注文住宅を検討していると、 「自然が豊かで暮らしやすそう」 「土地も比較的広くてのびのびできそう」 という、前向きなイメージを持つ方が多いと思います。


実際、伊豆は 海・山・温泉・四季の変化に恵まれた、魅力的な地域です。


しかしその一方で、伊豆ならではの条件を十分に理解しないまま家を建ててしまい、住み始めてから後悔するケースも少なくありません。


このコラムでは、伊豆エリアで実際によく聞く 「もっとこうしておけばよかった」という声をもとに、 失敗しやすいポイントと、その背景を整理します。

この記事を書いた人

宮下 和大 / Takahiro Miyashita

一級建築士 / 一級建築士事務所 宮下建築 開設者
らくがき設計事業部 主宰(静岡県・伊豆の国市)

大工歴50年以上の父とともに工務店を運営し、「らくがきからはじまる家づくり」をコンセプトに 、新築住宅・リフォーム・リノベーション・タイニーハウス・中古住宅+インスペクションまで幅広く手がける一級建築士。

住宅はもちろん、社寺などの非住宅建築にも対応し、設計から施工まで一貫した家づくりを行っています。

私たちが大切にしているのは、施主の想いを最大限に生かす“施主主導の設計”。
間取りの検討から素材選びまで、施主が「自分で設計した」と実感できる家づくり体験を提供しています。
デザインだけでなく、コスト・断熱・耐震など建築の基本性能もしっかり押さえ、ライフスタイルに合った
“ちょうどいいサイズ”の住まいをご提案。地元工務店ならではの柔軟な対応と長期的なサポートで
安心して暮らせる家づくりを目指しています。

一級建築士(大臣登録361765号) 既存住宅状況調査技術者(インスペクター) 木造住宅・リフォーム設計 / 監理 伊豆の国市・函南町・伊豆市・三島市・裾野市・御殿場市・沼津市.etc
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① 冬が思った以上に寒かった

伊豆というと「温暖」というイメージを持たれがちですが、 実際に住んでみると、

・朝晩の冷え込みが強い

・山側は特に底冷えする

・海風が体感温度を下げる

と感じる方が多くいます。


後悔として多いのが、

・断熱性能を軽視してしまった

・暖房設備を最低限で考えてしまった

・日射取得や風向きを深く考えなかった

といった点です。


伊豆の寒さは、 雪が降る地域の寒さとは違い、湿気を含んだ冷えが体にこたえます。

「伊豆だから大丈夫」という思い込みが、後悔につながりやすいポイントです。


② 湿気・カビ対策を甘く見ていた

伊豆で特に多い後悔の一つが、湿気対策です。

・海が近い

・山に囲まれている

・雨が多い

こうした条件が重なり、 室内外ともに湿気がこもりやすい環境になります。


よくある失敗例としては、

・収納内がカビやすい

・北側の部屋がジメジメする

・洗濯物が乾きにくい

などです。


これらは、 通風計画 換気計画 収納の位置とつくり方 を初期段階で十分に検討していなかったことが原因であるケースがほとんどです。


③ 土地は安かったが、造成・地盤で想定外の出費

伊豆では、

・傾斜地

・変形地

・元畑・元山林

といった土地も多く流通しています。


購入時には、 「土地が安くて助かった」 と感じても、実際に家づくりが始まると、

・擁壁工事が必要だった

・地盤改良費が高額になった

・進入路や高低差の工事が必要だった

といった追加費用が発生するケースがあります。


土地と建物を別々に考えてしまったことが、後悔の原因になることが非常に多いポイントです。


④ 風・台風対策を想定していなかった

伊豆は台風の影響を受けやすい地域です。

強風

横殴りの雨

塩害

こうした条件を十分に考慮しないと、

・窓まわりからの雨漏り

・外壁や金物の劣化

・シャッターを付ければよかった

という後悔 につながります。


特に多い声が、 「普段は快適だが、台風のたびに不安になる」 というものです。

日常の快適さだけでなく、 “荒れた日の暮らし”を想像できていなかったことが原因です。


⑤ 駐車場・外構を後回しにしてしまった

伊豆では車移動が前提の暮らしになります。

そのため、

・駐車場の位置

・台数

・勾配や雨の日の使いやすさ

は非常に重要です。


後悔としてよく聞くのは、

・思ったより駐車しにくい

・雨の日に足元が悪い

・外構費用が後から大きくかかった

という声です。


建物本体に予算を集中させすぎて、 外構を「あとで考えるもの」にしてしまったことが原因になりがちです。


⑥ ご近所との距離感を想像できていなかった

伊豆の住宅地では、 昔からの集落 ご近所付き合いが濃い地域 も多くあります。

建てる前には気づかなかったが、

・窓の位置が気になる

・視線が思ったより近い

・生活音が伝わりやすい

といった後悔につながることがあります。

これは設計の良し悪しというより、 地域性を十分に理解していなかったことが原因です。


⑦ 「伊豆での暮らし」をイメージしきれていなかった

最後に多いのが、 家単体ではなく、暮らし全体を考えきれていなかったという後悔です。

例えば、

・買い物動線

・通勤・通学 医療機関までの距離

・観光シーズンの混雑

伊豆ならではの生活リズムを、 「住んでから考えればいい」としてしまうと、 小さな不満が積み重なっていきます。


失敗や後悔の多くは「伊豆を甘く見たこと」から生まれる

ここまで挙げた失敗や後悔は、 決して特別なケースではありません。

共通しているのは、

・伊豆は住みやすそう

・何とかなるだろう

・一般的な家づくりと同じでいい

という楽観的な前提です。


伊豆は確かに魅力的な地域ですが、 同時に癖のある土地でもあります。


後悔しないために大切なこと


伊豆で注文住宅を建てる際に大切なのは、

・一般論をそのまま当てはめない

・伊豆の土地・気候・暮らし方を前提に考える

建物だけでなく、敷地・外構・地域を含めて考える という姿勢です。


失敗や後悔の多くは、 「知らなかった」ではなく、 「考えていなかった」ことから生まれます。


伊豆での家づくりは、 情報を集め、時間をかけて考えた分だけ、 確実に満足度が高くなります。

これから家づくりを始める方は、 ぜひ「伊豆で建てる」という視点を、 最初から大切にしてみてください。

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