家づくりを「体験」として考えるということ

query_builder 2026/01/12
コラム
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家は、完成した瞬間がゴールではありません。

むしろ、住み始めてからの日々の中で、少しずつ「自分たちの場所」になっていくものです。

その過程をより豊かなものにする考え方の一つが、体験型の家づくりです。





図面は「答え」ではなく「会話のきっかけ」


一般的な家づくりでは、最初に完成度の高い平面図が提示されます。 そこから微調整を重ねていく方法は合理的ですが、一方で「なぜこの形なのか」を深く考える機会は多くありません。


体験型の家づくりでは、平面図は完成形ではなく、話し合いのための素材として扱います。

図面を囲みながら


  • どこで一番長い時間を過ごすのか
  • 朝と夜で、家の表情はどう変わるのか
  • 今と10年後で、ライフスタイルはどう変わるか


こういった疑問に、家族で答えをだしていきます。 図面を「観る」だけでなく、図面に「書き込む」。 その姿勢が、家づくりの印象を大きく変えていきます。

この記事を書いた人

宮下 和大 / Takahiro Miyashita

一級建築士 / 一級建築士事務所 宮下建築 開設者
らくがき設計事業部 主宰(静岡県・伊豆の国市)

大工歴50年以上の父とともに工務店を運営し、「らくがきからはじまる家づくり」をコンセプトに 、新築住宅・リフォーム・リノベーション・タイニーハウス・中古住宅+インスペクションまで幅広く手がける一級建築士。

住宅はもちろん、社寺などの非住宅建築にも対応し、設計から施工まで一貫した家づくりを行っています。

私たちが大切にしているのは、施主の想いを最大限に生かす“施主主導の設計”。
間取りの検討から素材選びまで、施主が「自分で設計した」と実感できる家づくり体験を提供しています。
デザインだけでなく、コスト・断熱・耐震など建築の基本性能もしっかり押さえ、ライフスタイルに合った
“ちょうどいいサイズ”の住まいをご提案。地元工務店ならではの柔軟な対応と長期的なサポートで
安心して暮らせる家づくりを目指しています。

一級建築士(大臣登録361765号) 既存住宅状況調査技術者(インスペクター) 木造住宅・リフォーム設計 / 監理 伊豆の国市・函南町・伊豆市・三島市・裾野市・御殿場市・沼津市.etc
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話し合うことで、住まいの輪郭がはっきりする


家族で話し合いを重ねると、意外な気づきが生まれます。


「共有スペースと個室や寝室へのこだわり・優先度の違い」

「収納が必要な場所・機能的な要素の要・不要」


こうした発見は、カタログや仕様表を眺めているだけでは得られません。

暮らしのイメージを言葉にする過程そのものが、住まいの輪郭をはっきりさせていきます。




選ぶ理由が、愛着へ変わる


床や壁、建具や照明などの細かな仕様も、体験型家づくりでは「選ぶ理由」を大切にします。

価格や見た目だけでなく、 触れたときの感覚 手入れのしやすさ 家族の生活リズムとの相性 そうした視点で選ばれた素材は、暮らしの中で自然と馴染んでいきます。

カタログから選ぶ以外にも雰囲気のいいお店を探し、実物に触れる機会をつくることも大切です。

住み始めてから「なぜこれを選んだのか」「家族でどんな話しをしたのか」が思い出せることも、住まいへの愛着につながります。


住まいは、完成前から家族の記憶になる


体験型の家づくりでは、完成した建物だけでなく、そこに至るまでの時間もまた、家の一部になります。

悩んだこと、意見が分かれたこと、納得できた瞬間。

そうした積み重ねがあるからこそ、住まいは「用意された空間」ではなく、「自分たちの場所」として感じられるのかもしれません。




家づくりの「正解」は一つではない


体験型家づくりは、すべての人にとって最適な方法ではありません。

効率や分かりやすさを重視する考え方も、もちろん一つの正解です。

ただ、 家づくりそのものを楽しみ、家族で考える時間を大切にしたい人にとって、こうした形も選択肢の一つになり得ます。


住まいは、暮らし方の数だけ、つくり方があります。

体験型家づくりは、その中の一つの提案です。


なお、こうした体験型家づくりの考え方を実際に形にする取り組みとして、私たちは「らくがき設計ワークショップ」を受け付けています。

一般的な住宅規模であれば、敷地条件や法的な整理さえできていれば、平面図の組み立て自体は決して特別な才能を必要とするものではありません。

必要な要素を整理し、暮らしのイメージを当てはめていく作業は、例えるなら簡単なパズルを組み立てるような感覚に近いものです。

この考え方をもとに取り組んでいるのが、「らくがき設計事業」です。

これは、静岡県の経営革新事業として認定を取得した取り組みで、家族それぞれの想いや感覚を、言葉や図、らくがきとして自由に表現しながら住まいの形を探っていくものです。

完成度の高い図面を目指すのではなく、考える過程そのものを大切にすることを目的としています。

「らくがきからはじまる家づくり」という考え方のもと、自分たちで考え、自分たちで納得しながら進める住まいづくりも、家づくりの一つの選択肢です。

家族で向き合った時間ごと、住まいに刻まれていく——

そんな家づくりを体験してみたい方に向けた、ささやかな提案です。





らくがきから、家づくりを始めてみませんか


家づくりは、図面を見る前から始めることができます。

言葉にならないイメージや、家族の何気ない一言、紙に描いた小さならくがきも、住まいを考える大切な手がかりになります。

「まだ具体的に決まっていない」

「何から考えればいいのかわからない」

そんな段階でも問題ありません。

家族で話しながら、考えながら進める家づくりの入り口として、らくがき設計ワークショップをご用意しています。

まずは家づくりの考え方を知ることからでも構いません。

ご興味のある方は、お問い合わせフォームまたはインスタからお気軽にご相談ください。

家族の暮らしを思い描く時間を、一緒につくるところから始めてみませんか。

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